基本的な論理回路
2.1 基本的な論理回路
論理変数の論理値に応じて一意に論理値が決まる関数を論理関数といい,論理値による演算を論理演算という.論理演算の中でもっとも基本的な機能は(1)論理否定(NOT),(2)理積(AND),(3)論理和(OR)の3種類で,これらを回路的に実現したものを基本論理回路という.これらの組合せによりどんなに複雑な論理演算も実現できることが数学的に証明されている.また論理回路を構成する基本的な単位をゲート(論理素子)ともいう.論理設計で使用される回路図では論理回路を表現するMIL記号がよく使われる.論理式と呼ばれる数式でも表現することができる.以下,基本論理回路について順に説明する.(1)論理否定(NOT)
NOTゲートは、1入力に対して1出力を与えるゲートで,入力が0のとき出力は1となり,逆に入力が1のとき出力は0となる.NOTの演算子は、「 ̄」で表され, のNOTは と表現される.図2.1にNOTゲートのMIL記号を示す.表2.1はNOTゲートの真理値表である.
図2.1 NOTゲートのMIL記号
表2.1 NOTゲートの真理値表
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(2)論理積(AND)
ANDゲートは2入力に対して1出力を与えるゲートであり,入力X,Yに対して2つの値が両方とも1のときのみ出力が1となり,それ以外では0となるものである.ANDの演算子は、「・」で表され,XとYのANDはX・Yと表現される.図2.2と表2.2にANDゲートのMIL記号と真理値表をそれぞれ示す.
図2.2 ANDゲートのMIL記号
表2.2 ANDゲートの真理値表
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(3)論理和(OR)
ORゲートは2入力に対して1出力を与えるゲートであり,XとYいう2つの値が与えられたとき,2つの値のうちどちらか一方または両方とも1のときに出力は1になり、それ以外では0となる. ORの演算子は、「+」で表され,XとYのORはX+Yと表現される.図2.3と表2.3にANDゲートのMIL記号と真理値表をそれぞれ示す.
図2.3 ORゲートのMIL記号
表2.3 ORゲートの真理値表
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その他の基本的な論理ゲートとして,(4)NAND,(5)NOR,(6)XOR,(7)XNORゲートとそれに対応する論理式と真理値表についてそれぞれ示す.
(4)NAND
NANDゲートはANDゲートの出力の反転に相当する. XとYの2つの値が与えられたとき,2つの値のうち両方とも1のときに出力は0になり、それ以外では1となる.XとYのNANDは と表現される. NANDゲートのMIL記号はANDゲートの出力に否定を示す丸印を付加した図2.4のようになる.NANDゲートの真理値表を表2.4に示す.
図2.4 NANDゲートのMIL記号
表2.4 NANDゲートの真理値表
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(5)NOR
NORゲートはORゲートの出力の反転に相当する. XとYいう2つの値が与えられたとき,2つの値のうちどちらか一方または両方とも1のときに出力は0になり、それ以外で出力は1となる. XとYのNORは と表現される.図2.5と表2.5にNORゲートのMIL記号と真理値表をそれぞれ示す.
図2.5 NORゲートのMIL記号
表2.5 NORゲートの真理値表
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(6)XOR
XOR(Exclusive OR)ゲートは図2.6のMIL記号で表され,表2.6の真理値表の出力となる.XとYいう2つの値が与えられたとき,2つの値のうちどちらか一方のみが1のときに出力は1となり、それ以外で出力は0となる.このことからXORは排他的論理和といい,XとYのXORは で表現される.真理値表より,X=0かつY=1のとき,またはX=1かつY=0のとき1が出力されるので, であることが分かる.
図2.6 XORゲートのMIL記号
表2.6 XORゲートの真理値表
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(7)XNOR
XNOR(Exclusive NOR)ゲートはXORゲートの出力の反転で与えられる.図2.7と表2.7にXNORゲートのMIL記号と真理値表をそれぞれ示す.XとYのXNORはで表現される.
図2.7 XNORゲートのMIL記号
表2.7 XNORゲートの真理値表
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